第2章:36歳、12年ぶりの恋は“安心感”から始まった

36歳からの再スタート

「結婚相談所に入会した理由」

12年付き合った彼と別れてすぐ、36歳の誕生日を迎えた。

ちょうど人生の節目みたいなタイミングで、

「このまま何もしなかったら、きっとずっと1人かも」って焦りが込み上げてきた。

正直、まだ気持ちが整理できてない部分もあったけどまずは“結婚相談所”に入ることにした。

半分は“別れのお守り”みたいな感覚。

でももう半分は本気で、36歳の私と結婚したいって思ってくれる人ってどんな人なんだろう?そんな人いるのかな?

恋愛感情だけじゃなくて、ちゃんと“結婚”を目的に出会える場所の方がいい。

そう思って、思い切って入会した。

プロフィールを登録して数日、想像以上にたくさんの申込みが来たことに少しだけ自信を取り戻せた。

実際いろんな人とお会いしてみたけれど、「なんか違う…」という違和感がぬぐえなかった。

優しい人もいたけどみんななんだか奥手な人が多い印象だった。

逆にある意味凄くインパクトのある人もいて、

初対面でいきなり

「年齢は存じ上げていますが子供は産める身体ですか?健康状態は問題ない?」

「宗教は?」「いつまでに結婚したいか?」

「結婚後は仕事を続けるのか?」など奥さんになるための面接みたいなデートもしたこともあった。

そんなことが続いてなんだか疲れてきたときに

元彼と付き合っていた頃から毎月通っていたマッサージ店の担当の彼のことをふと思い出した。

初めて担当してもらった日、なぜか「この人とは何かあるかも…」と直感のようなものがあった。

当時はもちろん、そんなことが起きるなんて思いもしなかったけれど、どこか心に残っていた感覚だった。

彼とは施術のたびに他愛のない話をしていたけれどいつものようにマッサージに行って私が彼と別れたことを話すと

「ご飯でも行こうよ」と誘ってくれた。

12年間ずっと誰かの恋人だった私は、そんな“普通の誘い”にも少し戸惑った。

でも不思議とその誘いには安心感があって、自然と「うん」と返事をしていた。

そしてその出会いが、まさかの12年ぶりの恋の始まりになるなんて——

私自身がいちばん驚いていた。

「今までの恋愛が霞むほどの感覚」

彼との初めてのご飯。

お店ではよく話していたけどお店外で会うのは初めてだし少し緊張していた。

でもどこか落ち着く空気が流れていた。

彼の年齢は、なんとなく私より少し上かなと思っていたけど実際は8歳年上だった。

4年くらい担当してもらっていたのに初めて知った。

年上だからなのか、自然とリードしてくれて、会話もテンポよく進んでいった。

話が途切れることなく続いて、気づけばあっという間に時間が過ぎていた。

ただただ楽しくて、純粋に「また会いたい」と思えた。

気づいたら、今までの恋愛が霞んで見えるくらい、

「この人ともっと一緒にいたい」と思っていた。

頭で考える前に、心も体も、彼のそばにいると安心できた。

“この人だよ”って、全身の細胞が教えてくれてるような不思議な感覚だった。

恋愛というより、“本能的に”彼を求めていたのかもしれない。

初めての感情だった。

“ドキドキ”じゃなくて、“じんわり”満たされるような温かさ。

私は今まで「恋は刺激的なもの」だと思ってたけど、

あの日から少しずつ「愛ってこういうことかも」と思えるようになった。

みんなにとっての“愛”って、どんな感覚ですか?

「その日は突然訪れた」

何度か食事に行くようになったある日、

その日も普通に楽しい時間を過ごしていた。

マッサージ師とアイリストお互い接客業で似ていることもあり仕事の話もいつもはしてたけどこの日は、なんだか違って。

将来の具体的な話をしてくれた。

真剣な顔をして「子供とか欲しいと思ってる?」

そんな踏み込んだ話は初めてだった。

私は素直に「現実問題、この歳だからできるかわからないけど欲しいと思ってる」って伝えた。

なんでそんなこと聞くんだろ?

ちょうどその時期は私の妹が妊娠中で来月に出産を控えてたからなんとなく聞いたんだろうなーと思っていた。

帰り際にいきなり

「俺のことどう思ってる?」と聞かれた。

自分でもわかるくらい、顔が真っ赤になるのがわかった。あんなにドキドキしたのは久しぶりだった。

「俺は結婚したいと思ってる。一緒にいたい」と言ってくれた。

“付き合いたい”って言われると思ってたのに——まさかのプロポーズだった。

ビックリしてしまった

「お互いいい歳だし、ゆらりの今までの恋愛のことを考えると結婚したいと思った」と言ってくれた。

「子供のこととか考えると俺なんかよりもっと若い相手の方がゆらりにとったら本当はいいんだろうなって考えたけど諦められなかった」と言ってくれた。

本当に、嬉しくて幸せだった。

私には勿体無いくらい優しくて愛情深い人だと思った。

この人となら、きっと幸せになれる。

“安心”が“確信”に変わった日々

プロポーズをされたあの日、心の底から「幸せだ」と思った。

まさか“付き合いたい”の前に“結婚したい”と言われるなんて、予想もしてなかったから。

だけどその後の展開は、さらに驚きの連続だった。

入籍の話も、式のことも、住む場所のことも、

まるで決められていたかのようにトントン拍子に進んでいった。

昔の私は、こういう“順調”にどこか不安を感じていた。

「うまく行きすぎてない?」「何か落とし穴があるんじゃ…」って。

でも、彼と一緒にいると、そんな気持ちすら自然と消えていった。

もちろん、ケンカをすることもあった。

お互い思っていることが伝わらなくて、モヤモヤしたこともある。

でも、彼は決して感情的にならなかった。

声を荒げることもなく、むしろいつもより静かに、ちゃんと私の話を聞いてくれた。

「じゃあ、どうしようか」

「それって、こう感じたから言ってくれたんだよね?」

そんなふうに、ひとつひとつを丁寧に受け止めてくれる姿に、安心、が確信に変わった。

元彼では想像できなかった子供ができて父親になったらいいパパになるんだろうなって想像できた。

何より機嫌を伺わなくていいし私のことを尊重してくれる姿に感動した。

あの日から、私の人生は静かに、でも確かに動き出していた。

次回:「36歳で再スタート、38歳で母になるまでのリアル」へ続きます

コメント

タイトルとURLをコピーしました